絵の製作依頼【A4】
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《 #DAYSTORY:003 》「 襤褸を着てても心は錦 」
「言葉は、食べ物だ」と云う人がいた。
知らず知らず僕らは、日々色んな言葉を食べている。それも耳から食べて、頭の中で理解して、胸のあたりで咀嚼する。
口から吐き出すことだってある。食べられないから吐き出すわけではなく、誰かに食べて欲しいから吐き出している。あまり言いたくはないが、だいたい僕らが食べている言葉も、誰かから吐き出された言葉だ。
吐き出すというと、あまりいい気持ちはしないので、ここでは「誰かからもらったお土産を、まるで自分が買ったお土産かのように、友人にそのまま渡すような」という曖昧な表現をしておくことにする。
食べ物なので、好き嫌いがある。
例えば、女性に対して「可愛らしいね」と言葉をかけた時。
「うれしい」人もいれば、「大人っぽく見られたいのに」という人もいる。
「美味い」と思うのも、その人次第。
「不味い」と思うのも、その人次第。
好みがあるから、好きな人もいれば苦手な人もいる。
中には、アレルギーを持っている人だっている。
「お金」という言葉に異常に反応したり、貶す意味の言葉に過敏にショックを受けたり。
その人が発している意味よりも、言葉そのものに反応して体が拒否してしまう。
旬の時期や鮮度だってある。
思いついた瞬間に、吐き出した方がいいものもあれば、
長い間、熟成させてから食べてみた方が、美味しいものもある。
昔読んだ本を本棚から引っ張ってみると、線を引いてある部分とは違うところに、美味しいと思うのはそういうカラクリだ。カレーのように、一晩寝かせた方が美味しいものだってあるに違いない。
旬や鮮度があるということは、腐ることだってある。
冷蔵庫である僕たちの身体には、日々新しい風が送り込まれる。
10年も20年も入れっぱなしにしていると、腐ってしまうものもある。
そんなときは、新しい言葉を入れてあげよう。たまにはお掃除もしてあげるといいかもしれない。
腐らせるのが嫌だったら、冷凍させておくことをおすすめする。
口に合わなかった言葉や、怒られながら食べた言葉は冷凍しておくといい。
そして、ふとした時に体温で解凍して食べてみると「あれ?案外美味しいかも」なんてことがあったりする。
そのときは気付かなかったことでも、冷凍して、ふとした時に食べるとすーっと心に沁みたりする。
「言葉は、容れ物だ」と云う人がいた。
「ありがとう」
色んな「ありがとう」がある。
落し物を拾ってもらったときの「ありがとう」
望んでもないことをされたときの建前で言う「ありがとう」
結婚式でお父さんお母さんに言う「ありがとう」
同じ「ありがとう」でも、同じじゃない。綺麗な容器に見えても、中身は様々だ。
言葉は容れ物でしかなくって、大事なのは中に何を詰めるか。
毎回毎回、「ありがとう」を連呼する人のありがとうは、中身がからっぽな気がすることもある。
「ありがとう」という容れ物には、どんな中身が詰められてるだろう
「だいすき」という容れ物には、どんな気持ちが詰められてるだろう
「だいきらい」という容れ物には、どんな愛情が詰められてるだろう
容れ物だけを見ると汚くっても、中身はとんでもなく純粋できれいだったりすることもある。
ふたりの話を聞いて、ある人はこう言った。
「そんな分かり切ってること言わないでよ。おふくろの味には、どうしたって敵わないでしょ」
*
「襤褸を着てても、心は錦」
外見で、パッケージで、容れ物で、僕たちは判断してしまう。
外見ひとつで、いとも簡単に僕たちは騙されてしまう。
人間も、ことばも、絵も、変わりません。
たいせつなものはいつだって、めにみえない。
「絵」という目に見える部分だけで、判断してはいけません。
彼女が描く絵たちは、彼女が産み落とす子供そのもの。
母親には、どうしたって敵わないものです。
*
Akemi Morimoto. が絵を描きます。
テーマやモチーフをご指定いただいても結構です。
また、打ち合わせを重ね、しっかりとご希望に沿った形で実現させていただきます。
ご家庭やお店などのインテリアにも、人気です。
(写真は関西のとある方のお家の玄関先に、絵を飾らせていただきました)
*額縁に飾りお渡しするため、額縁代も含めた金額です。
*様々なサイズにもご対応できますので、お気軽にお問い合わせください。
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